2016年7月1日

佐渡にいったい何があるというんですか?


初めまして、研修医1年目の倉科健司です。

小説を読むのが好きです。村上春樹も、ここ数年の小説は少し苦手ですが、概ね好きな作家です。特に初期の小説と旅行記が好きです。でも基本的にはミステリが好き。ついでに、旅行も好きです。都会よりも田舎の方が気に入る傾向にあります。出身は松本。好きな食べ物はお寿司。佐渡のお寿司は本当に美味しい。

 

日本の中心、東京から佐渡島に行く直行便は一つもないので、とりあえず新潟に向かわなくてはならない。新潟市から佐渡汽船に乗るのが一般的だ。

僕の場合研修先を選ぶときには、僕自身が新潟大学出身だったということもあり、佐渡島は割と近くにあるはあるのだが(高速船で1時間ちょっと)、そのときみんなに「どうしてまた佐渡なんかに行くんですか?」と不審そうな顔で質問される。その言外には「新潟(本土)にない、いったい何が佐渡にあるというんですか?」というニュアンスが読み取れた。

そんな感じで、村上春樹の「ラオスにいったい何があるというんですか?」という本のルアンパバーンに関する章の冒頭は、割と簡単に書き換えられる。違和感もない。(この後もちょこちょこ引用してます。興味があったら読んでみてもいいかも。それなりに面白い)

 

でも、佐渡の良さっていうのは、きちんとあって(金山とか朱鷺とか以外でも)、そういったものを僕は好ましく思っている。

佐渡の人口は6万人弱である。佐渡を雷マーク(⚡)に例えたら、左右の凹んだところがある。それぞれに昔からの港町があって、西はかつて金山で栄えた地域。東は今も新潟市と航路で結ばれている。その凹んだところ同士を結んだ線(佐渡唯一の国道が走る)の中点、ちょうど島の真ん中にも当たる位置に佐渡総合病院は位置する。土地柄、佐渡の急患はほぼ全員ここに来る。勉強になる。

その線をちょっと外れたら、視界が広がり(実に気持ちが良い)、道路の左右に田んぼ、その向こうには山が見える。車で30分、その山の白雲台という展望台に登れば、この平野を一望できるのだが、集落が点々としている他は、一面田んぼである。田んぼに水を張ったばかりの時期に山に登ってみると、この景色には感動させられる。(島の南にある棚田スポットでもいい。海と棚田が一緒に見れる珍しい場所だ)朝日が反射して一面鏡のようにキラキラするのだ。土地柄、夜は星も綺麗だ。突然一人寂しい気分になっても気が紛れる。安心である。

そして海だけでなく、山も実り多く、川魚や山菜もたんまり取れる。佐渡の植生は変わっていて、暖流と寒流の合流地に位置するため、海産物も植物も多種多様なものが見られる、のだそうだ。そして、食べられる。メシウマである。佐渡が小日本と言われる所以だと思う。

 

そのように自然豊かであるからに、佐渡では一年を通してちょっとした変化を体で感じて楽しんでいくことができる。山を歩いたり、ドライブしたりすれば、季節で植物や気候の変化を感じ取れる。釣りでも季節を感じられる。そこまで積極的でなくても、蛍を見に行ったり桜を見たりもできる。まだやってないけれど、これから先の季節はダイビングなんかもいいかもしれない。先月、坂上先生が言ったように信号も少ないから自転車も気持ちいい。かくいう僕も初任給でロードバイクなるものを買ってしまった。佐渡は給料もいいのですぐに買える。えへん。

自然以外のものだと金山、薪能、たらい舟、温泉、鬼太鼓、アースセレブレーション、ロングライドなどなど。新しいものも古くからのものも、良いものはある。ちなみに、TSUTAYAとかヤマダ電機とかもある。住むのに便利という点で、僕が一番驚いたのはAmazonだって送料無料で翌日には届くことだ。Amazon的には、どうやら佐渡は離島じゃないらしい。

 

歴史があって、文化がある。自然が広がっていて、そこにはいわゆる深みというものがある。世界中のスケールの大きなものと一つ一つ比べていったら、それは敵わないかもしれないが、それらが一つにまとまって、一つの島になっている。そこで生活している僕の中に、その気風のようなものが根ざしてきている。そして、それはこれから先もけっこう鮮やかに残り続けるだろう、と思う。そして、きちんと研修が出来て、研修中にそのような場所で生活できるのはある種の贅沢だとも思う。

 さて、長くもなりましたし、研修内容については次回の同期に任せていますし、あとは気になったら直接見学に来てください。

本当に、興味を持った方は是非見学に来てもらえたら嬉しいです!では!

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