腎・透析内科についてご紹介いたします。

科の特徴・対象疾患と紹介

腎臓内科では以下のような腎臓疾患、血液浄化療法、を中心に診療を行っております。

  • 慢性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群など
    健診や診療時の検査で尿蛋白や尿潜血が陽性であるとき、また浮腫を認め蛋白尿が存在するときなどは、慢性糸球体腎炎やネフローゼ症候群の可能性が高いと考えられます。この場合、どういったタイプの慢性糸球体腎炎であるのか、どういったタイプのネフローゼ症候群であるのか、確定診断をつけるためには、腎臓の組織を顕微鏡で調べる「腎生検」といった検査が重要です。約1週間の入院で検査を行い、その結果を参考に治療を行います。
  • 慢性腎臓病(CKD)
    上記のような慢性糸球体腎炎やネフローゼ症候群、あるいは糖尿病の進行による腎臓合併症である糖尿病性腎症、高血圧による腎障害である腎硬化症など、長期にわたり尿異常が続いたり腎臓機能の障害がみられたりする場合、慢性腎臓病(CKD)と定義されます。CKD患者様への指導により、将来的に末期腎不全への移行を予防する、あるいは末期腎不全に至るまでの期間をできるだけ延ばすことを目標に、食事療法や薬物療法を行っております。
  • 腎代替療法(血液透析、腹膜透析、腎移植の検討)
    CKDステージが進行していくと、腎臓機能は不可逆的となり、やがて末期腎不全の状態に陥ります。腎臓の機能が落ちることで、体から水や尿毒素物質が排泄できなくなり、浮腫・呼吸困難感・貧血・高血圧・食欲不振・嘔気・掻痒感・意識障害・高カリウム血症・低カルシウム血症・高リン血症などといった様々な症状や検査値の異常がみられるようになります。このような状態になってしまった場合には、腎臓の機能の代替として透析や腎移植を検討することになります。現在当院では血液透析・腹膜透析あわせて約130-150名の患者様の診療を行っております。
    腎移植をご希望される方に関しては適応があると考えられる場合、新潟大学泌尿器科移植外来に紹介、受診をしていただきます。
  • 血液浄化療法
    血液透析以外にも種々の特殊な血液浄化療法を種々行っております。

診療実績(令和5年度)

  • 透析患者・・・約140~150名
  • シャント手術・PTA等・・・約80件
  • 急性血液浄化(持続緩徐式血液濾過透析やエンドトキシン吸着など)・・・約40件
  • 腹水濾過濃縮再静注法(CART)・・・約30件
  • その他特殊血液浄化(血漿交換、吸着療法など)・・・約10件
  • 腎生検・・・12件

透析室からのお知らせ

佐渡総合病院透析室では、帰省・観光などで佐渡に短期滞在される透析患者さんのための臨時透析を、これまで、

  • ①月曜日から土曜日の午前
  • ②月曜日・水曜日・金曜日の夜間
  • ③火曜日・木曜日・土曜日の午後

のパターンで受け付けていました。しかし、島内の患者数の増加と看護師人員の不足により、平成27年4月以降、患者様のご希望のお日にちお時間でお受けすることが非常に困難な状況が続いております(月・火・金・土曜日はどのクールもほぼ満床で受け入れ困難、水・木曜日も残りベッドは1~2床と数少ない状態です)。大変申し訳ありませんが日程のご相談は下記電話までよろしくお願いいたします。特にゴールデンウィークやお盆の時期など患者様が集中する期間は毎年受け入れが非常に困難な状況です。例年「お一人1回の透析まで」といった回数制限を設けさせていただいております。ご迷惑をおかけしますがご了承いただけますよう何卒お願い申し上げます。(新型コロナウイルス感染症対策のため、国内の感染状況に関わらず当院の事情で、しばらくの間、臨時透析の受け入れ自体をお断りせざるを得ない場合があります。脆弱な島内の医療を守るためにご理解いただけましたら幸いです)。

0259-63-3121(電話・代表)

臨床研究に関するお知らせ

当院当科は、新潟大学腎・膠原病内科および30医療施設を含む新潟腎臓臨床病理研究会に所属し共同研究を行っております。これに際し、過去の診療記録や医療情報などを、新潟大学および当院の倫理委員会で実施承認を受けた医科学研究のために用いることがあります。もちろんその際には、文部科学省・厚生労働省「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」を始めとする各種規則に則って、被験者のプライバシーや人権が守られるように細心の注意を払って実施されます。しかしそれにも関わらず、ご自分の記録について当該研究で使うことを望まれない方については、その方の記録や情報を用いずに研究を実施いたします。

下記に各研究の概要と対象となる方のリストを提示いたしますので、もしもご自身が研究対象者に含まれていると思われ、かつご自身の記録の研究使用を望まない方については各研究の連絡先担当者に直接ご連絡いただければ幸いです。

①申請番号
2017-0105
②研究課題名
腎生検データベースの構築
③情報の利用目的及び利用方法(他の機関へ提供される場合はその方法を含む。)
使用するデータは、個人が特定されないように匿名化を行い、研究に使用します。他の機関へ情報を提供することはありません。研究の成果は、学会や専門誌などの発表に使用される場合がありますが、名前など個人が特定できるような情報が公表されることはありません。
④利用または提供する情報の項目
腎生検結果、血液検査結果、問診結果、身体測定値、生理機能検査結果
⑤対象者及び対象期間
1954年以降腎生検を受けた方
⑥利用の範囲
新潟大学医歯学総合病院 腎・膠原病内科
⑦試料・情報の管理について責任を有する者
成田一衛
⑧問い合わせ先
新潟大学医歯学総合病院 腎・膠原病内科
新潟腎臓臨床病理究会事務局 025-227-2200
①申請番号
2017-0107
②研究課題名
腎生検施行症例の予後についての後方視的研究
③情報の利用目的及び利用方法(他の機関へ提供される場合はその方法を含む。)
使用するデータは、個人が特定されないように匿名化を行い、研究に使用します。他の機関へ情報を提供することはありません。研究の成果は、学会や専門誌などの発表に使用される場合がありますが、名前など個人が特定できるような情報が公表されることはありません。
④利用または提供する情報の項目
血液検査結果、死亡情報、治療内容、生理機能検査
⑤対象者及び対象期間
1954年以降腎生検を受けた方
⑥利用の範囲
新潟大学医歯学総合病院 腎・膠原病内科
⑦試料・情報の管理について責任を有する者
成田一衛
⑧問い合わせ先
新潟大学医歯学総合病院 腎・膠原病内科
新潟腎臓臨床病理究会事務局 025-227-2200
  • 佐渡総合病院倫理委員会では2018年1月17日に承認されました。
  • もし、研究や情報の提供に同意をいただけない場合には、お手数ですが問い合わせ先までご連絡ください。 なお、同意の有無が今後の治療などに影響することはございません。

医師紹介

医師 役職 認定資格など
和田 真一 医長 日本内科学会認定内科医
日本内科学会総合内科専門医
日本腎臓学会腎臓専門医
腎代替療法専門指導士
日本内科学会内科指導医
藤井 美里 医長 日本内科学会認定内科医