診療科案内
未来の佐渡をはじめ、世界を担う人財が育つ島として、成育環境を創造する。
すべての子どもたちに豊かな自尊感情、共同体感覚が育つよう、佐渡市子どもが元気な佐渡が島(たからじま)条例を広く市民に伝えて協働する。
私ども小児科医は天真爛漫に育った子どもたちが未来の世界を元気にしてくれると信じている単純な人種です。そして当院小児科は病院での診察だけでなく、島内のさまざまな関係機関と連携し、すべての子どもたちが育つ環境の改善に関わらせていただくことを生きがいにしています。島内にある分娩施設は当院だけです。佐渡の子どもたちの多くは当院からその輝かしい人生を始めます。月に20人前後、年間約250名の新生児一人ひとりが佐渡の貴重な宝物です。
これまで子どもの命を脅かしてきた感染症の多くは予防接種により未然に防ぐことができるようになりました。感染症コントロールのため、生後6ヶ月までの接種スケジュールはやや混み合っています。また、当科では抗菌薬の適正使用に努めています。原則として風邪に抗菌薬は使いません。
その他アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎や食物アレルギーなどのアレルギー疾患、発達障がい、不登校、てんかん、肥満、夜尿症、低身長などの診療も行っています。そして、当該疾患での専門的な診療が必要と判断した場合は、最後まで責任を持って高次医療機関につなげています。幸い新潟県では新潟大学病院を中心に各病院が専門性を持ち、県全体で一つの小児病院のように機能しています。また、毎月新潟大学小児科から循環器、内分泌の専門の先生に来て頂き、フォローが必要な患者さんを診ていただいています。
近年エピジェネティクスという考え方の根拠の一つに虐待などの劣悪な成育環境によって脳の扁桃核にある神経細胞の遺伝子変化が確認されています。そうしたことからも人生のスタートおいてネガティブな環境に触れることを予防し、発達を順調に促せる環境を整えることには大きな意味があります。これからの小児科医の仕事として子どもたちの成育環境について考える時間が増えるであろうと考えています。当科では佐渡の子どもたちに理想の成育環境を提供できるよう、家族背景に配慮した全人的な診療を心がけています。
さいごに、私どもの夢は佐渡が安心して子どもを育てられる幸福な島になることです。子どもが毎日、朝から晩まで良寛さまと毬つきをして遊んでいた子たちのようにニコニコしていてもらいたい。みんなの瞳が新生児期の輝きを保ち続けられれば、いじめも不登校もなくなると信じています。その夢に向かって日々診療させていただいております。
子どもに関することならなんでもご相談ください。
医師 | 役職 | 認定資格など |
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後藤 文洋 | 部長 | 日本小児科学会 専門医・指導医 厚生労働省 臨床研修指導医 日本小児科医会 子どもの心相談医 |
田屋 光将 | 医長 | 日本小児科学会 専門医 |
岡崎 実 | 医師 |